【番外編】アイデカールを自作してみる
今回は番外編、自作アイデカールについて。
アリスギア立体化やるようになって表情差分を作る機会が増えてきました。販売目的ならハイキュープリントとかにデカール外注する方がキレイに仕上がるしコスト回収も出来るんですけど、自分用に数セット作る程度だと高いし余るし…ということでもっぱら自作です。
今回は私の自作デカールについて備忘録がてら紹介します。といっても既存の手法をまとめただけで斬新な内容ではありません。白目をキレイに再現するのに適した方法なので個人的にオススメしたいだけです。アイデカールの白目に困ってる人は是非。
※手法の紹介なので下絵の描き方講座ではないです
- 用意するもの
- ①デカールのデータを用意する
- ②デカール用紙に反転印刷する
- ③デカールをクリアー保護する
- ④エナメルで白目を塗る
- ⑤デカールを台紙から剥がして糊を筆で洗う
- ⑥マークセッターをフェイスパーツに塗り、デカールを貼り付ける
- ⑦クリアーで保護し、デカールの段差を消す
用意するもの
今回用意するものは以下の通り(デカールデータやプリンターを除く)。
- ハイキューパーツ/家庭用インクジェットプリンターデカール用紙(透明)
- ラッカー系クリアー(推奨品はクレオス/GX100スーパークリアIII)
- エアブラシ(上記クリアーを塗布するのにほぼ必須)
- マークセッター(×ソフター ○セッター、糊入りのヤツ)
- 水と筆(なんでもいいです)
- エナメル塗料 白
デカール用紙はA4サイズですが、一度にそんなに印刷しないため自宅のプリンターで出力出来るなるべく小さいサイズの用紙にカットして使います。我が家のプリンター最小サイズははがきサイズ(100mm×148mm)なのでA4シートから4枚取れます。
①デカールのデータを用意する
アイデカールの元データを作るソフトはフリーのInkscapeを使っています。絵描きさんの使うようなソフトでも良いですが、ベクターレイヤーが使えるソフトを推奨します。ベクターレイヤーはラスターレイヤーと違い拡大縮小で画質が劣化せず、描き方もマウスでドラッグして図形を描いて修正して、を繰り返すので絵が描けない人でもキレイに描きやすいかと思います。変わりにグラデーションや複雑な色合いの表現は難しくなりますが、そもそも自作のアイデカールでキレイにグラデーションを印刷するのは難しいので結果的にベクターレイヤーで十分です。
ここではソフトの使い方は割愛します。私も基本となるペンツール(ベジエ曲線)と塗りつぶしくらいしか使ってないので…。
②デカール用紙に反転印刷する
左図が出来上がったデカールデータです。グラデーションはあまり使わず、数段階の色を使い分けた程度にしました。これをプリンターで印刷します…が、その前にこの画像を左右反転します。今回Inkscape内で反転していますが、プリンターの機能で反転印刷がある場合はそちらでもOKです。
こちらが印刷した用紙。プリンターメーカーによって設定項目は色々ありますが、基本的に光沢紙(または写真印刷)とできるだけ最高画質に設定すれば良いです。仕上がりに不満がある場合はコントラストや明るさを微調整しても良いかもしれません。ただし、白目を塗る前だとどうしても色味がくすんで見えるため、印刷直後の状態だけで判断するのは難しいです。
③デカールをクリアー保護する
印刷したデカールをよく乾燥させたら、表面を保護するためにクリアーを吹きます。デカール用紙の説明にもある通りエアブラシ推奨です。エアブラシの場合でもあまり近づけず、1発目は遠目から砂吹き(表面がざらっとするくらい)で軽く保護してあげると失敗しにくいです。クリアー保護をケチるとデカール貼付時に水分が入り込み印刷が滲みますが、かといって分厚く塗りすぎるとデカール貼付後の段差消しが大変になります。公式では薄く5~6回吹き付けるとありますが、私は砂吹き含め4回くらい全体にまんべんなく吹いてます。
④エナメルで白目を塗る
クリアーで保護した面の上からエナメル塗料で白目を塗っていきます。印刷面に直接塗っていくので白目の位置確認がしやすいと思います。クリアー保護しているのではみ出したら遠慮無くエナメル溶剤で拭き取ります。貼付面が肌色なので、1回塗りだと黒目が透けてるなーって思っても全然気にしないで大丈夫です。むしろ厚塗りすると貼りにくくなるので1回塗りでOKです。
⑤デカールを台紙から剥がして糊を筆で洗う
※作業再現のため適当に塗りましたが本来もうちょっとキレイに塗ります。
エナメルがしっかり乾いたら、デカールを台紙から剥がします。うちはいつも100均の事務用スポンジに水を張ってデカールを浮かせてます。
そして剥がしたデカールを指の上(作業前によく手を洗います)にひっくり返して置き、付着したデカール糊を水を付けた筆で洗い落とします。クリアー保護している都合上デカールがある程度厚く頑丈になっているため、そう簡単には破れません。何回かシャバシャバと撫でるように洗ってあげると大体落ちます。
⑥マークセッターをフェイスパーツに塗り、デカールを貼り付ける
※作業再現のため気泡だらけのフェイスパーツで代用しています。
マークセッターをフェイスパーツに塗り、デカールを貼り付けます。似た商品でマークソフターがありますが、ソフターはデカール軟化剤のみで糊が入っていないため、使ってもデカールが張り付きません。今回必要なのはいわゆるデカール糊です。
⑦クリアーで保護し、デカールの段差を消す
こちらが貼付完了状態の写真です。この後完全にデカールが乾燥したら、クリアーを厚めに塗ってデカール面を研ぎ出して段差を消します。ちょっとデカールが分厚いため、何回か繰り返さないと綺麗に段差が消えないかもしれません。ちょっとの段差であればつや消しである程度は目立たなくなります。
デカールの研ぎ出しについては検索すれば沢山出てくるので割愛!
やよいフェイス作り直し完了ー。顔の下半分を前に押し出し、アイデカールをもっと明るくしました。アイデカールくっきりになると全然違うねぇ。納得いかなくて作り直したけど大正解でした。4枚目はほんの出来心。
— 神峰こっけ (@kokke_sog) July 13, 2020
出力終わってる武装がたんまりあるのでドンドン磨きますわよー pic.twitter.com/vSbCykNNvS
最後につや消しクリアーでつやを整えて、タミヤのウェザリングカラーで軽くお化粧して完成!
このやり方だとデカール付属の糊を洗い落とす手間が発生する代わりに、白目を事前にフェイスパーツに塗ってそこにデカールを貼るみたいな難易度高いことをしなくて良いので非常に簡単です。また、印刷面を裏返して貼ることでデカール表面がツルツルで発色もハッキリしているように感じました。
これから挑戦してみたい人の参考になれば幸いです。